と検索して出てきた作品。2006年の映画。3、4年前にタイトルを知ったものの配信してるサイトがなく、Blu-rayはレア価格になっていた。それが今年4Kリマスターされて上映されたので見に行ってきました。
→公式サイト
1915年ロサンゼルスの病院
ロイ・ウォーカーは映画のスタントで大怪我を負って半身不随になり入院。主演俳優に恋人を寝取られ自暴自棄になっていた。その病院でオレンジの収穫中に落下して左腕を骨折したインド人の少女・アレクサンドリアと出会う。ロイは彼女を呼び物語を語って聞かせる。
モルヒネや睡眠薬
ロイの目論見はアレクサンドリアを懐柔して薬の入ったビンを盗ませること。目的は勿論自殺すること。
子供を自殺する手段に使うという残酷さよ。
色彩豊かな映像
色彩豊かなのはロイの語って聞かせる部分のみ。映画を見たことがないアレクサンドリアの想像によるものだと思われる。語ってるため、登場人物がメタ的な言動をする。悪役の司祭がアレクサンドリアの一言で良い人になったり、ロイが酒を飲んでると主役の仮面の男も酒を飲んでたり。
話の内容は5人の復讐者が同じ仇を倒すために旅をするというもの。主役の仮面の男はロイ、他は病院の関係者、仇は主演俳優で再現されている。
アレクサンドリア
ロイの話に夢中になっておりロイに惹かれている。死に損ねて自棄になったロイの姿を見て、最終的に彼のためにモルヒネのビンをごっそり盗もうと部屋に忍び込み、棚の上のものを取ろうと滑って落下。頭から落ちてしまい回頭手術が行われる。
ロイの語る物語の結末
アレクサンドリアが目覚めるとロイが泣きはらした顔で座っていた。彼女が物語の続きをせがむと、ロイは登場人物たちを一人ずつ殺していく。アレクサンドリアが「どうして死ぬの」「やめて」と泣いて懇願しても、これは僕の物語だからと話を続ける。
最後の戦いで主人公の仮面の男は敵にやられてプールに沈められる。ロイの自殺願望をアレクサンドリアに分からせるかのように物語はここで終わる。しかし仮面の男にロイを重ねているアレクサンドリアはそのまま死んでしまう展開を否定する。その必死な声が遂にロイの心に届き、復活した仮面の男が敵をやっつけてハッピーエンドを迎える。
最後、ロイは病院の子供達に自分がスタントした映画(無声)を見せる。そこには笑顔で視聴するみなの姿があった。
感想
シナリオに関してはシャットアウトしてたので、暗い話でびっくりしました。キービジュアルからファンタジーものだと思ってた(笑)序盤は全体像がぼんやりしていて筋が見えてこなかったんですが、終盤のロイとアレクサンドリアの感情のぶつかり合いは胸に来ました。ロイが生きる希望を見出してくれてよかったです。
バスター・キートン
オレンジ農園に戻ったアレクサンドリア。しばらくあとにロイの姿を映画で見つけたといって、バスター・キートンの無声アクション映画の映像が流れて映画は終了する。
バスター・キートンは無声映画時代に命知らずのスタントをしていた実在の俳優。1年前くらいにこの人を知ってBDを買おうかと迷ってたとこだったので、ここに繋がったことにびっくりしました。彼の初期に活躍した作品は古すぎてパブリックドメイン化(?)しており映像はYouTubeで見られる。